ミニバスと親と指導者

バスケットボールを始めるきっかけとして、ミニバスというものがあるのをご存じでしょうか? プロのバスケットとは違ってルールが特殊なのですが、プレイ自体はあまり変わりません。試合では選手を10人以上出場させる、一人の選手は3クォーターまで、などと変わってますが、私は試合に出場できる子供が多くなるので、よく考えられたルールだと思っています。

“試合を経験することが上達への近道”と言っても過言ではない。

これは私が指導して一番感じたことなのてすが。緊張感を感じ、バスケとはこういうもの、自分は何をしたらいいのか?というのが明確に感じるからです。

しかしながら、ミニバスの指導者の中には、10人ルールの意味が解らない。相手側が6年生10人だと勝てないので萎えてしまう。そんな指導者も存在することを知ってほしい。こういった指導者を ”勝利至上主義” といいます。

何はともあれ、バスケを始めるならミニバスから是非ともしてほしい。できれば、産まれてからすぐにバスケットボールを触らしてほしい(笑)

ということで、私がミニバス指導者をして感じた、親の役目について忠告したいことがいくつかあります。

①親は黙って見守ること

②指導者がダメ人間ならすぐに辞めること

③我が子の心境を見逃さないこと

① 子供たちを指導するのに避けて通れない問題が親の存在。私は親子に関わるバランスを、親2:子供8ぐらいで指導していました。まずは子供と接してから親と話をするといった具合に、子供ファーストで。そうしないと親からの余計な一言で、子供の性格を決めかねません。実際に全く違うことが多くありました。

親の中には我が子への不満や、指導内容に口を出す人が多々います。実際に言われたことですが、「試合に勝てないのは何故ですか?」「我が子をもっと使ってください」「プライドが高いのであまり言わないでください」「厳しく指導して怒ってください」「キャプテンがサボってました」といろいろ…

ほとんどの内容が自己中心的なものです。呆れるしかありません。私はすべてにおいて否定的な返事をしてたので、一部の親からは嫌われてましたよ(笑) それでも気にせず親の言うことは聞き流していました… なぜならミニバスをするのは子供という考えがあるからです。驚くことに、他のチームには、保護者のことを見守る人がいてましたよ(笑) そこまでしないといけない時代なのか?、と思ってました(笑)

勝てない試合でも楽しい、みんなでする試合の楽しさ、キャプテンと一緒にサボる楽しさ、私にとってミニバスは、”バスケの楽しさを味わうもの” だと考えています。 多少の厳しさは必要ですが、高校生ぐらいからで十分。 そして私が一番気にかけていたことが、

“バスケを嫌いにならないように指導する”

何事においても最初の印象は人生を変えるぐらいの出来事です。指導者が親のケアまですると、子供と向き合う時間が、ものごく減ります… 簡単に言うと指導したいのに、親を黙らさないと先に進めない。これは大問題ですよね。親としては黙ってられないみたいですが、見守るぐらいがちょうどいいです。

② 子供を指導することはとても難しい、と理解できない親は多いと思いますが…指導者はそれを当たり前のようにしないといけません。子供を預かる責任がありますから。中には責任感のない指導者も居てます。仕方ないですよね人間ですから。となると指導者を選べるのは親だけです。

ミニバスの指導者は自分の思い通りにならないと、怒り狂ったり、暴言を吐いたり、ストレスを発散する人も居てるのが現実です。 それは指導歴や資格も何もなくても指導者になれるからです。 そんなことは親にはわかりません…どんな指導者が良いかは親が決めないといけないので、私が出会った指導者を少しだけ挙げていきますね。

最初に一番楽しい出来事ですが、3チームでホームの練習試合をした時のことです。 朝一番の指導者の集まりで「この着ぐるみで試合しませんか?」と提案がありました… なんとサンタとトナカイ(笑) もう分かると思いますがクリスマス前だったのです。 私は他チームの指導者と目が合うと ”やりましょう” と返事してました(笑) そして試合が始まると着ぐるみの審判が登場! 子供たちはすぐに爆笑して、クリスマス気分で試合をしました。 最高でしたね(笑) こんな素敵な指導者に会えて幸せですよ。もちろん指導者的にも素晴らしく、子供達からも信頼されてましたよ。まぁ、保護者の一部は冷たい目をしてましたが…

試合を見れば指導者の良し悪しはすぐに分かります。 ベンチで偉そうに座っている、選手がミスをするたびに大声をだして試合を止める、常に何かにキレている、相手選手に罵声をあげる、などと本当にはっきりしています。中でも酷いダメ指導者に数名出会いました…

試合が終わると指導者がすぐに一人の選手に向かっていき、罵声を浴びせたんです。私もミスが多いのは知っていたんですが、明らかに周囲に恥さらしなことを言い出し…蹴りだしたんです(怒) 当然ながら私はその指導者を排除し、その選手のケアをして練習試合も解散しました。その選手がバスケを続けているといいんですが… もちろんダメ人間とは付き合いはありません。

試合で選手に指示を出してる指導者がいました。

「お前は邪魔やから端っこで立っとけ」

???となりますよね。10人ルールで出場しないといけない低学年の選手に向かってです。私のチームの低学年の選手は、好き放題しているにも関わらず… もちろん子供たちはすぐに私に聞いてきます、「あの子、かわいそう」「楽しくないよなぁ」もう私は情けなくなりました…

これが勝利至上主義ってやつ(怒) 勝つためなら何でもするという冷酷なロボット指導者です。勝つだけならチーム作りはとても簡単。選手をふるいにかけて言うことを聞くサイボーグを育てればいい。指導者に好かれなければ、何のために練習しているのか、わからなくなってしまうけど、指導者にとってはどうでもいいこと。負ける選手は見えないですから。この不満を本人に話しても何も響きません…聞く耳ありません。

指導者に不快感を持ったら、すぐに離れた方が良いです。親や友達の関わりで辞めづらいこともあると思いますが、友達は案外そんなことはどうでもよくて、親の関わりなんて他にいくらでも現れてきます。ダメ指導者に好かれてる子供の親にとっては、良い指導者なので引き留めます。我が子より下手くそな子供が必要ですから… 何よりも時間は戻ってこないので、我が子のためにも、なるべく早くにダメ人間からは離れてください。

③ もちろんですが、子供というものは成長していきます。高学年になるとものすごいスピードで成長します。保護者はこの変化についていかないといけない。いつまでも我が子が一番と思ってはいけないんです。 子供たちのなかでは、バスケを通じて色々な感情が芽生えます。もっと上手くなりたい、友達に負けたくない、何をしたら仲良くなれるのか、みんなで楽しみたい、といったプラス感情。 あいつが嫌い、親がうるさい、上手くなるはずがない、楽しくない、辞めたい、というマイナス感情。
私はできる限り子供の意見でミニバスを指導していました。試合に出るメンバーを子供たちで決めてもらったり、親を巻き込んで練習したりと楽しめるチーム作りをしていました。すると子供たちが思いをそれとなく伝えてくれたりしたので、心境が見えてきます。それに対して私が指導を変えていけばチームが出来上がってくる。このことは、保護者には伝えることはしませんでした。それでも親の中には我が子が変わったので、「何したんですか?」と聞かれることもありました。

この変化に少しでも気づける親は、子供と一緒に成長しています。子供が親とよく話をしているみたいで、「ミニバスでの出来事を楽しく話してくれる」と報告を受けることもありましたよ。そういった親は指導者に任せてくれます。任せてもらうとやる気がでるのは当然です(笑)

指導者に口をだす親は、我が子の変化に気づかない。というか、子供の心境なんて気にしてない親が多くて、子供から聞く話と食い違っているのが当たり前です。現にそういった子供は親の言いなりで… 急に辞めてしまったり、話を聞かなくなったりしてしまうのです。親が居ないところでは話をしたりするのですが、現れると離れていきます。子供の居場所を奪う親にはならないでください。思い出すだけでも悔しいですよ… 子供に「バスケがしたかった」って言われると…

最後に… 我が子の心境を感じとり、新たに居場所を探してあげるのが、親の役目ではないでしょうか。そう簡単に見つからなければ、子供にしてほしいことがあります。中学生からバスケを始めても遅くはないので、よければ ”体操” を習わして欲しいです。運動能力、バランス感覚、などとスポーツ全般に必要な能力が育ちやすいんですよ(笑) バスケは友達との遊びで十分。まあ、中学校の指導者がダメ人間の場合もありますけどね…それはそうと子供としっかり話し合ってください。

ちなみに、子供にものすごい能力があり、プロバスケを目指す、と決めたなら勝利至上主義の指導者に任せるのが一番です。とても可愛がってくれますから(笑) 私みたいな指導者に出会わない方がいいです(笑)

素晴らしい指導者は人それぞれ違います。プロチームの選手を育てたからといっても、自分にとってはダメ指導者と思う人もいます。指導者との出会いで、スポーツ人生は大きく変わってしまいます。何が正しくて、何が間違っているかは、時間が経たないとわかりませんが…子供の ”今” を大切にしてください。

参考になれば幸いです(笑)

tekoでした。

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